【大阪市浪速区】南海電鉄、通天閣の株式70%超を取得すると発表「新世界を全国ナンバーワンのわくわくする街に」
南海電気鉄道株式会社が通天閣観光株式会社の7割を超える株式を取得することが発表されました。これにより通天閣観光の親会社となる南海電鉄は、なんばの南方向への人流の拡大を掲げる広域のエリアマネジメント「グレーターなんば」構想を加速させるために、通天閣をシンボルとする街の新世界を重要拠点の一つとして位置付け、今後、新世界の持続的な発展と繁栄をバックアップする意向が明らかとなりました。
2024年12月4日、通天閣前の広場で「通天閣 南海グループ加入記念セレモニー」が開かれ、通天閣観光の高井隆光社長、南海電気鉄道の岡嶋信行社長、南海電気鉄道の大塚貴裕常務が出席し、30社近く集まった報道陣に向けて会見しました。
通天閣観光の高井社長は「ヒト・まち・未来、新世界の新たな扉が開きます」と宣言。「通天閣は今までもこれからも通天閣であり、引き続き大阪のランドマークとしてお客様、地域の皆様に愛される存在でありますので、皆さんどうぞご安心ください」と説明した上で、自身が「引き続き決意をもちまして、通天閣の運営に関わらせていただき、通天閣、新世界、グレーターなんばを誰よりも熱く盛り上げていきたい。南海グループの皆様、地元新世界の皆様と力を合わせて、通天閣が100年、200年、光り輝き続けられるように。そして地元新世界、ならびにグレーターなんばが、大阪ナンバーワンの賑わいあふれる街になれるように頑張ってまいります」と社長続投の意欲と所信を表明しました。
南海電鉄の岡嶋社長は「大阪のシンボルである通天閣が南海グループとしてこれから一緒に歩んでいくことが決まり、万感の思いを持って迎えた記念すべき日となりました。通天閣がグレーターなんば構想を進める南海グループメンバーとして加わったことにより、これまでの取り組みをさらに加速させ、新世界を、大阪、いや全国ナンバーワンのわくわくする街にすることを実現してまいります」と明言。
さらに岡嶋社長は「飲食、小売、運輸、宿泊、エンターテインメントを掛け合わせたドミナントを形成すること、周辺エリアとの相乗効果を生み出す連携、両社が持つ現存のリソースを掛け合わせたプロモーションやイベントの展開をこれまで以上に強化したい」とも言及しました。
通天閣観光には南海電鉄からも役員を派遣しますが「これまでの色々な地元との関係性や経営のノウハウをお持ちでございます。我々としてはご本人の意向も踏まえた上で、現在の経営陣には残っていただいて、南海からもシナジー効果をより発揮するために人材を投入して、みんなで盛り上げていく、と。そういう新しい通天閣観光の体制を考えたい」と強調しました。
南海電鉄は通天閣観光のオーナー権を持つ高井家と西上家の一族からの譲渡により、70.8%の株式を保有することになります。通天閣は戦後の再興の際に地元の人々から出資を受けているという経緯からも、残る3割弱の株主についてはそれぞれの意向を尊重する考えで、少数株主の対応についてはこれからとしました。
このほか、高井社長からは通天閣では来年4月に入場者のQR管理システムを導入する計画が明かされました。QRで一元管理することにより、通天閣の各種チケットに加え、南海電車、阪堺電車の1日乗車券や周辺エリアの飲食店の券をセット販売するなど、経済波及効果を狙うツールとして活用していく考え。また、日立のネオンサイン広告について「昭和31年からスポンサードいただいております。今後も日立製作所には大阪の灯として、明かりを守っていただけることになっています」と説明しました。
セレモニーの最後は、通天閣観光の高井社長、南海電鉄の岡嶋社長、通天閣イメージガールの小川久瑠実さん、通天閣の公認アイドルグループで同日、南海電鉄の岡嶋社長から直々にグレーターなんばチアーズに任命された「アイドルズ」、ラピートくん(南海電車)、ちん電くん(阪堺電車)、ビリケンちゃん(通天閣)が一堂に会して「通天閣から出発進行!」と声を合わせ、新たな歴史の一歩を踏み出しました。
レア! 昭和3年に製造されたレトロな車両が魅力の「モ161形」がモチーフ。さまざまなイベントでPR活動をしている阪堺電気軌道の観光部長、ちん電くん。
南海電鉄のイメージリーダーカーである空港特急のラピートくん。
通天閣に鎮座する幸福の神様としておなじみのビリケンちゃん。
セレモニー後、報道陣の囲み取材に応じた通天閣観光の高井社長と南海電鉄の大塚常務。南海電鉄の岡嶋社長と大塚常務は、高井社長とお揃いの通天閣のピンバッジも付けて会見に臨み、通天閣と地元新世界との共創によるまちづくりに寄与する姿勢を明確に表明していました。
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