【大阪市西成区】萩乃茶屋で戦後から続く老舗の弁当店「みの里」の記憶を音楽に。シンガーソングライターNISHIOKAさんの新曲『Minori』が英iTunesのJ-Popデイリーチャート1位、海外25局のラジオでオンエア
「もう少し店に立ちたかったなあ」。昨年亡くなった母の生前の言葉をきっかけに、西成出身のシンガーソングライターNISHIOKAさんが楽曲を制作し、2026年2月6日に各種配信プラットフォームで新曲『Minori』を発表しています。楽曲は、萩乃茶屋で戦後から営業を続ける老舗弁当店「みの里」をモチーフにしています。

『Minori』のカバーアート(提供;Tune Factory)
NISHIOKAさんが今年の音楽活動のテーマとして掲げているのが「記憶と継承」。亡き母の記憶、祖父母の代から始まった店の歴史、そして父がつないできた歩み。家族の時間の積み重ねを音楽として表現した作品となりました。「近年、個人経営の老舗店や文化的価値を持つお店が静かに姿を消す一方で、大手チェーンやSNS映えを意識した店舗が中心になってきていると感じます。みの里は自分にとって文化遺産のような場所で、その歴史や思いを作品として残したいと考えました」と話します。

手作りのお弁当が店先に並ぶ
制作では、まず詩を書き、その後メロディーを何度も作り直すなど試行錯誤を重ね、当初は明るい曲調を想定していたそうですが、制作を進めるうちに自然と静かな雰囲気の楽曲へと変化していったといいます。完成した楽曲は、真冬の明け方のような静かな空気感をイメージしたもので、温もりや笑顔、喜び、そして悲しみが同時に存在するような世界観を目指しました。歌唱は感情を強く押し出すのではなく、手紙を朗読するような抑えた表現を意識したといいます。また、日常の中で自然に流れても違和感のない楽曲を目指し、車の中でも心地よく聴けるように、音のバランスにも細かく配慮したそうです。

寒い季節に登場する関東煮
NISHIOKAさんは日本を拠点に音楽活動を行い、各種音楽配信プラットフォームで楽曲を配信し、今ではリスナーの9割以上が海外の人々だといいます。『Minori』は英国iTunesのJ-Popデイリーチャート(2026年2月20日付)に1位を記録しました。さらには、北米・中南米・ヨーロッパを含む海外25局のラジオステーションでオンエアが始まっています。アメリカ、メキシコ、コロンビア、アルゼンチン、スペインなどのラジオネットワークでも放送され、世界へと広がりを見せているといいます。

NISHIOKAさんが2025年に発表した楽曲『HANAZONO』は、米国のiTunesデイリーチャートのシンガーソングライター部門で3位(2025年6月6日付)を記録した楽曲です。歌詞には「いつか焼き尽くされて 消えてゆく運命ならば 伝えたい覚えてきた事すべて」という一節があります。当時はその言葉を書いた理由を自分でもはっきり理解していなかったといいますが「みの里の歴史や祖父母、両親の記憶が一本の線としてつながっていたことに改めて気づきました」と振り返ります。

『Minori』は母の記憶を残す作品であり、『HANAZONO』は原点。店の歴史、そして家族の記憶。それらを作品として残していくことが、NISHIOKAさんにとっての「記憶の継承」だといいます。
家族の記憶と街に根付く店の歩みを重ねた楽曲『Minori』。西成から生まれた静かな物語を奏でる音楽が、世界のリスナーへと広がりつつあります。楽曲は、SpotifyやApple Musicなど音楽配信プラットフォームで配信中。

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