【大阪市浪速区】南海電鉄が商号を株式会社NANKAIに変更し、沿線づくりやツーリズム、不動産、新規事業開発の強化へ。鉄道部門は分社化し、社長直轄組織に「なにわ筋線事業部」も新設されます
南海電気鉄道株式会社(本社=大阪市浪速区)は、2026年4月1日付で商号を「株式会社NANKAI」へ変更するとともに、鉄道部門を分社化します。なお、役員の担務等の変更については2026年6月開催予定の株主総会をもって決定される予定です。

南海電鉄は、持株会社化を通じて鉄道・不動産・観光事業を中心とした新たな経営体制へ移行することになります。持株会社となる「株式会社NANKAI」は、グループ全体の役割を明確にし、経営力を高めるため、同時に大規模な組織改革を実施するとしています。その改革は、4つの柱に基づいて進められます。
まず、グループ全体の戦略統括部門として、現行の経営戦略室を「経営戦略本部」へ改称し、グループ全体の経営戦略およびガバナンスの統括機能を担います。
次に「選ばれ続ける沿線づくり」の司令塔部門として「沿線づくり戦略本部」を新設します。本部内には「沿線づくり戦略部」と「ツーリズム戦略部」を設置。「沿線づくり戦略部」は重点エリア戦略の策定や各種調整を担当し、「ツーリズム戦略部」はグループ全体のツーリズム関連収益の最大化を担います。
3つ目は、グループ全体の成長を牽引する事業部門の強化です。不動産事業本部に「不動産戦略部」を設置し、不動産セグメント全体の成長戦略を策定します。また、事業戦略部と社長直轄プロジェクトを統合した「事業戦略本部」を新設し、その中に、eスポーツ事業など注力事業の拡大を担う「事業開発部」と、新規事業の探索・育成を行う「新規事業部」を設置します。
4つ目は、グループ全体を支援するコーポレート部門の再編です。組織運営の柔軟性向上を目的に担当役員制を導入し、室制度を廃止。「リスク管理室」は「リスク管理部」、「内部監査室」は「内部監査部」へと改称します。また、総務広報部の法務機能と戦略法務部を統合し、新たに「法務部」を設置することで、グループコーポレート機能の強化を図ります。
一方、分社化される鉄道会社(新・南海電気鉄道株式会社)においても組織改編が行われます。

南海電鉄の梶谷知志専務執行役員鉄道事業本部長(右から2人目)が、鉄道事業会社・南海電鉄の社長に就任へ(2025年12月4日、新今宮駅にて号外NET撮影)
新たに設置される「経営戦略部」は、サステナブルな鉄道事業経営に向けた経営戦略の策定やDXによる事業改革、収支・投資計画の策定など全社戦略を担います。同部は総務・広報・経理機能も併せ持ち、「人事部」「リスク管理部」「内部監査部」を設置し、株式会社NANKAIと連携しながら業務を進めるとしています。
また、社長直轄組織として「なにわ筋線事業部」を新設し、株式会社NANKAIと連携しながら同線事業の推進を図ります。
さらに、鉄道事業全体を統括する「鉄道本部」を設置。本部内には「安全創造部」「営業企画部」「運転車両部」「えきまち地域創造部」「施設部」を置き、運輸安全管理体制の強化を進めます。
このうち「営業企画部」は、稼ぐ力の創出を目的に新設され、データマーケティングに基づく営業戦略の策定と施策の実施を担うほか、各部門におけるDX推進も図るとしています。

今回の一連の発表により、南海電鉄グループは、鉄道事業の持続的成長とグループ全体の競争力強化を見据えた新たな体制へと移行します。南海電鉄は、これらの改革を通じて、新たな時代への飛躍を目指すものとみられます。
詳細は、南海電鉄公式ホームページで確認できます。

南海電鉄は「鉄道会社」から、沿線価値を高める総合グループへの転換を進めることになる
南海電鉄本社はこちら↓





